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選挙について適当に。

アメリカ中間選挙 =Primary Election=メモ #1 WV

 今年11月6日に予定されているアメリカ中間選挙予備選挙が5月になり本格化してきた。今月は11州で予備選挙が行われる予定だ。5月9日は、オハイオ州ノースカロライナ州インディアナ州ウェストバージニア州予備選挙が行われ、これらの州では本選挙に向け6ヶ月間の選挙戦がスタートした。
なお、本記事では主に連邦上院、下院、州知事の各選挙を中心にメモ書き程度に取り上げ、地方選挙は基本的に取り扱わない。
今回はウェストバージニア州を取り上げる。

ウェストバージニア州

今回の予備選挙結果
〇連邦上院

民主党

候補者 得票数 得票率
ジョー・マンチン(現職) 111,589 69.8%
ポーラ・ジーン・スウェレンゲン 48,302 30.2%

共和党

候補者 得票数 得票率
パトリック・モリシー 47,571 34.9%
エバン・ジェンキンス 39,888 29.3%
ドン・ブランケンシップ 27,153 19.9%
その他の候補 21,608 15.9%

 
 ウェストバージニア州は伝統的に民主党が強い地域だったが、2000年以降の全ての大統領選挙で共和党候補を選出しており、2016年はドナルド・トランプ氏(共和党)がヒラリー・クリントン氏(民主党)に40ポイントの差をつけて勝利した。地方選挙では2014年まで州議会両院で民主党が多数派だったが、2015年以降は共和党が両院で多数派となっている。今回改選となるのは、連邦上院のジョー・マンチン氏(民主党)と連邦下院の3人の共和党議員である。

 ウェストバージニア州で一番注目を集めたのは共和党予備選挙だ。開票の結果、州司法長官のパトリック・モリシー氏が、連邦下院議員エバン・ジェンキンス氏、元石炭会社幹部のドン・ブランケンシップ氏らを抑えて勝利した。今回選挙の主要候補の一人、ブランケンシップ氏は選挙戦で人種差別発言を繰り返したほか、自身が経営している炭鉱施設で29人が死亡した事故の責任を取って1年服役した経験がある。党幹部は仮にブランケンシップ氏が共和党候補となった場合、民主党の現職、ジョー・マンチン氏の議席を奪える可能性が低くなると懸念していた。しかし、投票日の直前に、トランプ大統領ブランケンシップ氏以外の候補者に投票するようにツイッターで呼びかけた。米政治サイトポリティコは、このツイートがブランケンシップ氏の敗北にある程度は寄与したと分析している。一方、当選したモリシー氏は‘’共和党受けする候補(Politico誌)‘’と評価されており、議席を奪うための良いタマと見られている。
 民主党の予備選は、現職で補欠当選を含めて3期目を目指すジョー・マンチン氏が10万を超える票を集め、圧勝した。
 2016年大統領選でトランプ大統領が最も高い得票率を記録したウェストバージニア州民主党のベテラン議員が再選できるかという構図になり、大激戦が予想されている。ウェストバージニアの上院選挙は、今回の中間選挙で最も注目に値する選挙選となりそうだ。


===直近の選挙結果===

〇大統領

【2016年】

ヒラリー・クリントン民主党 ドナルド・トランプ共和党
26.48% 68.63%

【2012年】

バラク・オバマ民主党 ミット・ロムニー(共和党
35.54% 62.30%
〇連邦上院

【2014年】

ナタリー・テナント(民主党新人・後継) シャリー・ムーア・キャピト(共和党新人)
34.47% 62.12%

【2012年】

ジョー・マンチン(民主党現職) ジョン・ラーゼ(共和党新人)
60.55% 36.50%
〇連邦下院
民主党 共和党
2010年 1議席 2議席
2012年 1議席 2議席
2014年 0議席 3議席
2016年 0議席 3議席